7/25(土)に第67回神奈川GE MR UMがけいゆう病院様にて開催されました。今回は参加者が49名と多くの方々にお越しいただいて、大盛況でした。会場もこのように熱気ムンムン。外は晴天で超暑い一日でした。
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まずはじめに会に先立って、本年度のSigna甲子園の実行委員を務められている昭和大学藤が丘病院の本寺さんよりSigna甲子園の概要を説明していただきました。今回は昨年までのSigna甲子園とは異なり、SIGNAるの掲載されている過去の演題をブラッシュアップ*した演題のみを受け付けるとのことでした。*磨き上げるという意味 全く同じは駄目です。多くの方々(若手のユーザ)に気軽に参加していただくための変更点だそうです。また、本選では新たに再現性に関する得点も加わるそうで、UM毎の協力も重要になってきます。次回はSigna甲子園予選を予定しているので、今年もこの時期がやってきたかと今から楽しみにしています。

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情報コーナー」では、バイエルの島村様より新しく発売が開始されたガドビスト(一般名:ガドブトロールの製品紹介をしていただきました。海外では10年前より発売されている実績があるそうです。注入速度は既存のGd製剤の1/2程度を推奨し、オプションとして同じ速度での注入も考えられるとのことでした。ガドビストを用いた過去の報告では造影MRAにてマグネビストと比較して造影能が良好であるとの報告が多くあるそうです。また心臓MRIのLGEでの比較において顕著にガドビストの方が異常心筋をコントラストよく描出している画像は衝撃的でした。


「基礎コーナー」では、初学者向け
MRI入門としてSE法の基本について相模原協同病院の長岡さんに、GRE法の基本としてけいゆう病院の五十嵐さんにご講演いただきました。長岡さんはMRIの基礎原理からSE法まで詳しく丁寧に解説していただきました。五十嵐さんは臨床に即したGRE法の使い方などを実際の画像を供覧しながら解説していただきました。私自信にとってもあらためて基礎を振り返るよい機会でした。
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Advanceコーナー」では、GEHC-Jの武内様からMRI造影検査の基礎から最新技術までと題して、特にDynamic MRI系の造影シーケンス(efgre3d, LAVA, LAVA-FLEX, TRICKS, DISCO)について、それぞれの違いや特徴、使い分けなどを中心にご講義いただきました。肝臓などで非常に淡い濃染の描出にはLAVAよりも正常組織の信号が低いefgre3Dの方が向いているとのお話しもありました。
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「画像レビューコーナー」では、5施設から発表がありました。司会は北里大学の秦さんです。トップバッターは本寺さんです。本寺さんからは脳腫瘍の造影検査について昭和大学のプロトコールを紹介していただきました。シングルボクセルのMRS6ヶ所も撮り、その他の撮像も含めると一時間程度かかることもあるそうです。
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横浜新都市脳神経外科病院の竹田さんからは静脈洞血栓症の症例を紹介していただきました。脂肪抑制併用3D CUBE FLAIR3D LAVA-FLEXで非常に綺麗に血栓が描出されており、単純のみでも診断に差し支えないのではないかとのご意見でした。

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三番手は長岡さんです。長岡さんからは子宮のDynamic studyの撮像方法について各施設でどのような設定をしているかとの質問がありました。会場からは一般的な30, 60, 180secの三相での撮像が多い印象を受けました。
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東海大学大磯病院の上薗さんからは脊髄動静脈奇形の症例を紹介していただきました。この疾患は3つに大別されるそうで、これらの鑑別にMRIは有用でありますが、撮像方法などに難渋する難しい症例だと思います。あまり遭遇することのない症例であり、私ならどう撮像しようかと考えさせられました。
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最後は五十嵐さんです。五十嵐さんからはSPIOの撮像についてお話しがありました。陰性造影剤なので、造影後にFSE T2WIFSPGR T2WIlong TE)などの撮像をしますが、肝内の脈管信号が高信号となり邪魔なので、low b value DWIによる脈管の信号を抑制したT2WIの撮像が有用であるとのお話しでした。
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次回は9/26Signa甲子園 神奈川予選を開催致します。多くの方々のエントリーをお待ちしております。