66回神奈川GE MR User’s Meeting4/25(土)に川崎クリニックにて開催されました。
今回は
Signa甲子園2014の上位3演題を神奈川のUserが実際に検証してみた感想、また「PROPELLER」の基礎から臨床応用までのおさらいを中心に開催されました。
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まずはGEHC-J 池田さんからITEM報告が行われました。ITEMではSIGNAシリーズに新たに登場した3装置の紹介が行われました。

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一つ目は、近年注目を集めているSIGNA PET/MRです。PET画像とMRI画像のfusionもでき、非常に興味深い分野です。
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次にSIGNA Pioneerです。SIGNA Pioneerは日本で開発されたMR装置であり、日本の技術部の素晴らしさを改めて感じさせる装置となっています。3.0T装置になります。

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DSTDigital Surround Technology)は、これまでの感度補正法とは異なり、ガントリ内蔵BODYコイルとSurfaceコイルの画像を重ね合わせることで、SNRと画像均一性が向上致します。

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そして話題のMAGiCです。従来までT1, T2といったコントラストを得るには各々撮像する必要があったのですが、MAGiCは一回の撮像でT1, T2, PD, T1FLAIR, T2FLAIR, STIRの各コントラストを得ることができます。得られた画像をもとに、マウスを動かすだけで自由自在にコントラストを変化できます。当日はデモ機まで用意していただき、ITEMに行かれなかった方は熱心にデモ機で実践されていました。

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その他、DV25のアプリケーション。Turbo LAVADISCOなどの画像も非常に綺麗で、いつか使用してみたいと強く思いました。

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最後にSIGNA Explorerです。1.5T装置になります。
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Body Navigatorにより、GEでもとうとうNavigatorを使用することが可能になりました。EOBを使用した肝細胞相の撮像などでは呼吸停止ができない患者さんであっても非常に良好な画像を取得可能となります。

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おなじみのFOCUSでは高分解能のDWIを撮像でき、様々な部位で期待されます。

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SIGNA甲子園2014の検証、トップバッターは東海大大磯病院の上薗さんです。
上薗さんには「
Diffusion-Weighted MR Neurography」を検証していただきました。上薗さんはこの演題の内容にさらにoriginalの工夫を足して、非常に綺麗なMR Neurographyを提出されていました。実際に拝見してあまりの綺麗さに驚愕いたしました。
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続いては昭和大学藤が丘病院の本寺さんに「non-high spec machineにおけるFOCUS-like DWIによる高分解能拡散強調画像」を検証していただきました。前立腺を中心に検証されていて、こちらも非常に綺麗な画像を提出していただいたのが印象的でした。
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最後はけいゆう病院のホープ、川崎さんによる「Signaにおまかせ! 呼吸同期EOB肝細胞造影相」の検証です。呼吸同期を併用した3D FSPGRにより、呼吸停止不良の患者さんにおいても良好な肝細胞相画像を取得されており、やはり金賞をとるだけのことはあるなと改めて感心させられました。

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Advanceコーナーでは、まずGEHC-Jの中村さんに「PROPELLER」の基礎とポイントについてお話いただきました。非常に分かりやすく丁寧に解説していただけたので、会場にお越しいただいた方はきっと勉強になったのではないかと思います。皆様ご存じのように「PROPELLER」は体動補正を行うシーケンスの一種であり、今では欠かすことのできない撮像方法だと思います。
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臨床応用では新百合ヶ丘総合病院の堀さんにご講演いただきました。堀さんは「PROPELLER」だけではなくPROMO」の経験談も交えてお話ししていただきました。いつもながらいろいろ工夫されていると感じました。

 

フリーテーマディスカッションでは4施設からご発表いただけました。
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まずは東海大大磯病院の大塚さんです。SFA-CTOに対する血栓存在評価の症例をお持ちいただきました。3D FSPGR IDEAL Corで高信号を示す血栓を描出し、PTAの術前評価に有用であったと臨床医からも良い評価をされたそうです。
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*写真がなかったのでごめんなさい

二番手は相模原協同病院の長岡さんです。頸動脈分岐部が大動脈分岐直後にある症例の紹介でした。かなり頻度の少ない先天異常みたいですが、このような先天異常があると知っていないと実際の検査では迅速に対応することが難しいかもしれません。
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つづいては横浜新都市脳神経外科の高橋さんです。脳神経外科病院だけあって3D ASLを様々な症例に積極的に使用しているそうです。

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最後に昭和大学藤が丘病院の本寺さんです。本寺さんは多量腹水の患者さんに行った腰椎の検査にて信号が低くなってしまった症例をお持ちいただきました。1.5T装置でしたが、かなり信号の低下が大きく、根本的な改善は困難であると思いました。

 

今回も非常に勉強になることばかりでした。


次回は
7月開催予定です。MRIの基礎の基礎についての講演を行う予定ですので、新入職の方などMRIの基本を学びたい方にたくさん来ていただきたいと思います。

文責 川崎幸病院 中 孝文